年収400万円で住宅ローンは借りられる?無理なく返済できる秘訣も伝授

年収400万円の自分でも住宅ローンが借りられるのだろうか?そんな不安を抱いている方はきっと多いはずです。
そして、もし借りられてもちゃんと返していけるのか?と考えている方もどこかにいるのではないでしょうか。
この記事では、年収400万円の人が住宅ローンで苦労しないための方法を詳しく解説していきます。不安を減らしたいという方はぜひ参考にしてください。
年収400万円でも住宅ローンは借りられる?
最初に結論をお伝えすると、年収400万円の人でも住宅ローンを借りることは可能です。
国税庁の調査によると、給与所得者の平均年収は433万円となっています。
(参考:令和2年分 民間給与実態統計調査)
つまり、年収400万円はほぼ全国平均の給与水準です。多くの人が住宅ローンを組んで家を購入する現状を踏まえると、平均給与であれば住宅ローンは組めるという事実は想像できるのではないでしょうか。
年収400万円の住宅ローン利用者は多い
もうひとつ、住宅ローンに関するデータをお伝えします。
住宅金融支援機構によると、2021年のフラット35利用者の中で年収が400万円超〜600万円以下の人の割合は全体の約30%、400万円以下の人も全体の約7%です。(参考:住宅金融支援機構)
年収400万円前後でも、多くの人が住宅ローンを利用していることが分かりますね。
年収400万円で住宅ローンはいくらまで借りられる?

年収400万円でもローンが組めることがわかったところで、次はいくらまで借りられるのかを確認していきましょう。
この章では住宅ローンの限度額について解説します。
住宅ローンが借りられる目安は年収の35%以内
住宅ローン限度額の目安は年収の35%です。
実際、フラット35の審査基準でも、年収400万円以上の人は総返済負担率(年収に占める合計返済額の割合)が35%以下と定められています(年収400万円未満だと30%以下)。
年収400万円の35%となると、年間140万円、月々では約11.7万円の返済が必要です。
そしてこの数字から借入可能額を逆算すると、約3,800万円となります。
(住宅金融支援機構ホームページ|フラット35〜ローンシミュレーション|金利1.43%で一定、借入期間35年試算)
ところが、融資を受けるためにはいくつかクリアすべき条件もあるため注意が必要です。
住宅ローン借り入れ金額に影響する項目

住宅ローンの借入可能金額が決定するまでには、いくつかの項目が金融機関によって審査されています。
主な項目は以下の通りです。
- 年収
- 借入額
- 担保
- 返済負担率
それぞれ詳しく解説していきましょう。
年収
当然ですが、年収は住宅ローン審査で重視されます。
前述したように、条件を満たすことで年収400万円でも住宅ローンを借りることは可能です。
ただし、会社員ではなく個人事業主の場合は収入が不安定になりやすいため、会社員と同じ審査基準にならない場合があるため注意しましょう。
借入額
住宅ローンで借り入れる金額も審査されます。
ただし、単純な借入額だけではなく、購入価格に対して借入金額で支払う割合も重視されることが一般的です。
融資の割合が高いと返済できなくなるリスクも高くなるため、同時に金利も高くなる場合があります。
金利を下げたい方は、頭金を支払う方法もおすすめです。
担保
住宅ローンを借りる際は、購入する住宅が担保となる場合が一般的です。
そのため、購入住宅や土地の担保価値がどの程度かによっても借入金額は変化します。
この担保価値が低いと、希望する借入ができなくなる場合もあるため注意が必要です。
返済負担率
続いて、返済負担率です。
返済負担率とは、収入に対する住宅ローンの返済比率を指します。
返済負担率は「年間返済額÷年収×100」で計算されます。
この計算には、住宅ローン以外のローンの返済額も含まれるため注意しましょう。
住宅ローンを借りる際の注意点
住宅ローンを借りる際は注意点もあります。
主に以下の項目があります。
- カードローンなどがあると借りられる金額は下がる
- 年齢によっても借りられる金額は変わる
それぞれ詳しく解説していきましょう。
注意点1:カードローンなどがあると借りられる金額は下がる
先程ご紹介したフラット35の審査基準の中に「合計返済額」というフレーズがありました。「合計」と付いているので、住宅ローン以外の借入も含まれることを意味します。
つまり、カードローンなどのその他借入がある場合、その返済も含めて基準値以内に収まらないと融資は受けられません。
注意点2:年齢によっても借りられる金額は変わる
ほとんどの住宅ローンでは完済年齢が決められています。
例えば、フラット35の場合、完済年齢は80歳までで、もしあなたが借入時に45歳を超えていた場合、35年のローンは組めません。
そして、借入期間が短くなれば月々の返済負担が増えるため借入額を少なくする必要があります。
完済年齢は金融機関によって異なるため、条件をよく確認しておきましょう。
年収400万で住宅ローンを限度額まで借りるリスク
年収400万円の場合、条件を満たすことで住宅ローンを借りることは可能です。
ただし、住宅ローンを借りるリスクも事前に理解しておく必要があります。
主なリスクは以下の通りです。
- 家計が圧迫される
- 予期せぬ支出に対応できない
- 金利上昇リスク
それぞれ詳しく解説していきましょう。
家計が圧迫される
年収400万円で借りられる限度額近くまで住宅ローンを借りた場合、月々の住宅ローン返済に追われ、家計が圧迫されてしまうリスクがあります。
住宅ローンを組んだことで、精神的に安心できなくなったり、思っていた生活からかけ離れてしまうなどの結果につながらないよう注意が必要です。
ご自身の家庭での、月々の生活費にはいくら必要で、予備の現金はいくら必要なのか、返済額と照らし合わせて検討することをおすすめします。
予期せぬ支出に対応できない
続いて、予期せぬ出費や支払いがあった際に対応できないというリスクがあります。
住宅ローンを組んだ時点と、数十年後の生活スタイルや家族構成は大きく異なることがほとんどです。
たとえば、子どもが増えて養う家族が増えることや、職場の転勤など、さまざまな可能性を検討することで、予期せぬ支出が発生した際に現金が足りなくなるというリスクを減らせるでしょう。
また、住宅ローンを組む時点での年収400万円から収入がどの程度の水準で推移していくのかも予測しておくことも必要です。
金利上昇リスク
年収400万円の方だけではなく、住宅ローンを検討中の方は全員、金利上昇による返済額の増額リスクも理解する必要があります。
金利上昇リスクとは、変動金利で住宅ローンを組んだ場合に、今後金利が上昇する可能性があることです。
金利が上昇すると、同時に住宅ローンの返済額が増加することになります。
返済総額が増加することはもちろん、毎月の返済金額も増加してしまいます。
リスクを抑えるためには、固定金利型の住宅ローンを選択するか、金利の値上がりを想定した上で、住宅ローンを組むことが大切です。
年収400万円でも住宅ローンが無理なく返せる金額は?

ここまで聞いた方の中には「3,800万円は借りすぎじゃないの?」、「月々11万円も返済できないよ」と感じる方もいるでしょう。
実際、年収400万円の人が借りる金額はもっと少ないケースがほとんどです。それはなぜなのでしょうか?
借りられる金額=無理のない返済額とは限らない
借りられる金額が無理のない返済額とは限らないため注意しましょう。
なぜなら、満額を借りると返済が厳しくなる可能性があるからです。
年収400万円の会社員の手取りは、社会保険料や各種税金を差し引いておよそ312万円、月々では26万円です。
手取り26万円に対して住宅ローン返済が11万円なので多すぎると感じる人が大半でしょう。
つまり、金融機関の融資限度額は、無理なく返済できる額とは限らないのです。
年収400万円で無理のない返済額は年収の25%
次に、無理のない返済額を考えていきましょう。一般家庭で無理のない返済額は、手取りの25%と言われています。
年収400万円では6.5万円(26万円×25%)、先程と同じように、月々の返済額から借入金額を逆算してみると、その金額は2,146万円となりました。
3,800万円に比べれば、かなり現実的な数字になったことがわかります。
住宅ローン返済でギリギリの生活にならないためのポイント

最後に無理のない返済をするために、押さえておきたいポイントをご紹介します。
主なポイントは以下の通りです。
- 頭金を入れて返済額を軽減
- 生活費から逆算する
- ライフプランを見据える
- 住宅ローン控除制度を使う
- 両親や祖父母からの資金援助を活用する
- 税金や修繕費用を計算する
それぞれ詳しく解説していきましょう。
頭金を入れて返済額を軽減
返済を軽くするにはまず頭金をしっかり入れることです。
最近は頭金なしでも借りられる住宅ローンが増えていますが、手元に資金がある場合は頭金を入れることをおすすめします。
借入が減って返済が楽になる以外にも、総返済額を見たときに余計な利息を支払う必要がないからです。
生活費から逆算する
家族構成や家庭の事情によって必要な生活費は人それぞれです。
普段どれだけ生活費がかかっているかいったん整理してから、自分に合った返済プランを考えましょう。
そこで、意外に自分は生活費がかからないと分かれば、借入金額の増額を検討してもよいでしょう。
また、そこで生命保険や携帯などの通信費など家計の見直しも一緒に行ってしまうと、さらに効果的です。
ライフプランを見据える
住宅ローンは長ければ35年も付き合っていくものです。
その間には新しい家族が増えたり、転職をしたり、もしかすると病気になってしまうかもしれません。
そして、そのたびに収入や支出は大きく変わります。ところが、住宅ローンはいったん組んでしまうと内容の変更がとても難しいものです。
借入当初から返済額に余裕を持たせておき、長期のリスクに備えておきましょう。
住宅ローン控除制度を使う
住宅ローン控除制度を使う方法です。
住宅ローン控除とは、住宅ローンの1%を年間40万円まで控除できる制度です。
この制度は、最長で10年間利用でき、所得税や住民税から控除できます。
両親や祖父母からの資金援助を活用する
両親や祖父母から住宅購入資金の援助を受ける方法です。
単純に資金を援助してもらうだけではなく、住宅購入の場合は一定の金額までは贈与税が非課税になります。
これは、通常の贈与よりも優遇された制度で、条件を満たすと500〜1,000万円まで非課税にすることが可能です。
条件には、住宅ローンの返済年数や所得上限などがあるため、事前に条件を満たしているかどうか確認しておきましょう。
税金や修繕費用を計算する
住宅ローンを組む際に忘れがちな項目が、税金の支払いや修繕費用です。
住宅は年数に応じて劣化するため、屋根や外壁の修繕が定期的に必要となります。
それらの費用を頭に入れておかないと、突然の修繕や故障で資金が足りないという事態になってしまいます。
必ず修繕や突然の出費を予算に含めておきましょう。
まとめ:年収400万円でも無理なく住宅ローンを借りよう!
この記事では、年収400万円の人の住宅ローンについて解説してきました。
年収400万円の人でも問題なく住宅ローンを借りられます。
しかし、無理なく返済をしていくためには返済額を手取りの25%以内に収めるなどの対策が必要です。
また、生活費の見直しや、これからのライフステージの変化に備えておくなど、生活に困らないための自己防衛策も同時に考えておくことが重要と言えるでしょう。